「お金の整理学」外山滋比古著
老後のお金について論じた生き方エッセー。
かつて「働きアリ」と呼ばれた日本人の多くは、「定年後」という冬の時代の厳しさを真面目に考えず、何となく働き続ける「キリギリス」になってしまっていたのではないかと指摘する。
一方で、定年後のことを考えるといっても、将来、年金が減らされるかもしれないからと、節約して貯金を増やそうとするのは違っているとも。貯金と年金で老後を乗り切ろうという考え方は、サラリーマン時代の惰性で老後を過ごそうとしていることと変わりなく、人生が面白くない。
社会のマイナスと思われている高齢者の存在をどうすればプラスに変えられるのかと発想を変え、経済的にも精神的にも自立した老後を目指すべきと、第二の人生を生きるヒントを説く。
(小学館 780円+税)