「モンゴル人の中国革命」楊海英著

公開日: 更新日:

 著者の故郷・モンゴルの最南端オルドス高原を舞台に、日本と中国に翻弄された同国の近現代を見つめた革命史。

 1932年、日本の主導で誕生した満州国の国土の3分の1はモンゴル人の草原が占めていた。日本は、モンゴル人の自治を許し、満州国とモンゴル自治邦というふたつの近代国家をつくったが、オルドスだけは攻め落とせなかった。

 一方の中華民国政府にとっては、オルドスのモンゴル人を国民党指導下の抗日陣営にとどめておくことが重要な政治課題となった。戦後、日本が撤退すると、ヤルタ協定の密約によって中国の占領下におかれた南モンゴルは、国民党と共産党の内戦に巻き込まれていく。

 中国の革命成功によって受難の道を歩まされた南モンゴルの歴史を詳細に解説する。

 (筑摩書房 940円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動