「バカよさらば プロパガンダで読み解く日本の真実」倉山満著
プロパガンダとは「政治目的を達成するために、自分の意思を他者に強要する宣伝手段」であり、それは現在でも使われている。
たとえば「戦後レジーム」の総本山である内閣法制局は、政府が提出する法案を、憲法を頂点とする日本の法体系に矛盾がないか審査するのが本来の仕事である。ところが現実には、法制局がうんと言わなければ法案は通らなくなっている。実は憲法解釈の最終権限者は最高裁判所だが、彼らは法制局ほど法律に詳しくないので、法制局に逆らって独自の判断を下すことなどできない。法制局は、選挙で選ばれた政治家に対して拒否権など持っていないが、そう思わせている状況こそ、一種のプロパガンダなのだ。
日本政治におけるプロパガンダを読み解く。
(ワニブックス 1296円+税)