「殺意」ジム・トンプスン著 田村義進訳
弁護士のコスメイヤーは、顧客のルアンから電話を受けて大急ぎで駆けつけた。ルアンは「ラルフは私を殺すつもりなのよ」と訴える。
彼女は旧家の娘で、現在62歳。夫のラルフは40歳で、結婚したときは18歳だった。
寝たきりのルアンのために1日10時間から24時間働いているが、ルアンへの殺意を抱いている。
ルアンは噂好きで、医師の息子ボビーは彼女のおしゃべりのせいで人生を棒に振り、郡検事のヘンリーは職を失おうとしている。ある日、ルアンの家の玄関のドアが開き、誰かが階段を上ってきた。そして、ルアンは死体となって発見される。
さまざまな人の殺意がうごめく街で起きた殺人事件をめぐるノワール・ノベル。本邦初訳作品。
(文遊社 2500円+税)