「日本坊主列伝」榎本秋著
歴史に名を刻む僧侶たちの生涯と、彼らにまつわる伝説やエピソードを紹介する歴史読み物。
8世紀、孝謙太上天皇の寵愛を受け、天皇の座まで手に入れかけた法相宗の(弓削)道鏡(?~772年)をはじめ、毛利氏の外交僧として秀吉との間を取り持ち、ついには僧侶のまま6万石の大名に成り上がった臨済宗の安国寺恵瓊(?~1600年)、信長に寵愛された囲碁・将棋の達人で、現在もタイトルにその名を残す日蓮宗の本因坊算砂(1559~1623年)、そして徳川家康のブレーンとして活躍し「黒衣の宰相」の異名を持つ臨済宗の以心崇伝(1569~1633年)など。時に権力者をも陰で操り、歴史の裏で活躍した名僧、奇僧、怪僧など30余人の実像に迫る。
(徳間書店 740円+税)