「名馬を読む2」江面弘也著
前著「名馬を読む」はJRA顕彰馬32頭の生い立ちやそれを支えた人たちの知られざるエピソードを描いたものだが、ファンの記憶に残っている名馬はその32頭に限らない。本書は前著では取り上げなかった個性的な名馬たちが登場する。
第1章は「血統と牧場の物語」。牝馬として天皇賞秋と有馬記念の2冠を制したトウメイとその産駒で史上初めて天皇賞母子制覇を果たしたテンメイ。アローエクスプレスと熾烈な戦いをくり広げ競馬ファンの血を熱くしたタニノムーティエとその弟馬で「史上最強の逃げ馬」と称されたタニノチカラの兄弟のほか、シンボリルドルフなどの名馬を生んだシンボリ牧場などが登場する。
第2章「ライバルの競演」はハイセイコーのライバルのタケホープ、オグリキャップと戦ったイナリワンとスーパークリーク。第3章「時代の変革者たち」はカツラギエース、ミホノブルボン、ホクトベガ。第4章「愛すべき個性」はサクラスターオー、ライスシャワー、ステイゴールド……。
こうした80年代から90年代に活躍した名馬の名前を挙げるだけでも、競馬ファンは懐かしさが込み上げてくるにちがいない。
(三賢社 1700円)