「大江戸ミッション・インポッシブル顔役を消せ」山田正紀著
南町奉行所同心の川瀬若菜は、役目がまともに務まらず、最底辺の牢屋見廻りに降格。
牢屋敷の厨房に入り浸り、女中らにも小バカにされる若菜だが、実は泥棒寄合・川衆の棟梁という裏の顔を持っている。
ある日、筆頭与力に命じられ吉原に出向いた若菜は、花魁の姫雪太夫から英国人船長に贈られた指輪を盗まれたと相談を受ける。
肌身離さず大切にしていたが、ある座敷に呼ばれた際になくなっていたという。楼主は、姫雪を納得させるために届けただけで、犯人捜しをして欲しいわけではなさそうだ。楼主の意に反し、事件を調べ始めたところ、川衆仲間が何者かに殺される。
若菜が率いる川衆と、敵対する陸衆との死闘を描く時代娯楽小説。
(講談社 700円+税)