「古典の裏」松村瞳著 マンガ:すぎやまえみこ
「枕草子」は「春はあけぼの」で始まり、「夏は夜」「秋は夕暮れ」「冬はつとめて(早朝)」と続くが、「昼間」は出てこない。それは清少納言の勤務時間が夜だったからなのだ。清少納言はよく言っても「中流」の出身だったので、宮中に出仕することになったが、着ていくものがない。そこでみすぼらしい姿がばれない夜勤にしてもらったのだ。
また、兼好法師が「徒然草」でお坊さんの悪口ばかり書いているのは、鎌倉幕府や朝廷のスパイだったからだ。民衆の心のよりどころになっている仏教勢力を抑えるためのネガティブキャンペーンだったという説がある。思わず、へぇ~とつぶやいてしまう裏話満載で、もう一度古典が読みたくなるかも?
(笠間書院 1300円+税)