「考える日本史」本郷和人著

公開日: 更新日:

 東京大学史料編纂(へんさん)所教授の著者がその豊富な知識を駆使し、落語の三題噺(ばなし)のように漢字一文字のお題から展開する歴史講義。

「信」のお題では「いちばん最初に造られた銭は、和同開珎」という、誰もが教科書で学んだ知識を取り上げ、和同開珎もそれより古いといわれる富本銭も、そもそも銭だったのかと疑問を投げかける。

 古代社会は物々交換が主流で、銭が流通していたとはとても考えられない。さらに、銭が普及するには国家の信用がある程度、大きくないといけないと、鎌倉時代や江戸時代の銭を巡るエピソードを紹介しながら、銭と国家の信用の関係を解いていく。

 その他、「血」「恨」などをキーワードに、縦横無尽の語り口で日本史のポイントを伝える。 (河出書房新社 840円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中丸雄一の密会騒動“体の関係ナシ”で謹慎?アダとなった“旧ジャニーズ随一”お茶の間好感度の高さ

  2. 2

    来年引退決断の柔道ウルフ・アロン「『心残りはある』って言ってしまったんですけど、『やっぱりねえな』と(笑)」

  3. 3

    中日「ポスト立浪」に浮上する“第3の男” 侍J井端弘和監督、井上一樹二軍監督の名前が挙がるが…

  4. 4

    「建築界のノーベル賞」受賞の権威が大阪万博をバッサリ!“350億円リング”「犯罪だと思う」

  5. 5

    寛解直前で数値が上昇…タレントの山本量子さん語るがんとの闘い

  1. 6

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  2. 7

    「海のはじまり」は地に落ちたフジ月9の象徴か…TVコラムニストが薦める意外な視聴者層

  3. 8

    高野連を直撃「甲子園でリクエスト制度なぜ導入されず?」

  4. 9

    大阪万博はうっすらウンコ臭い? “腐った卵”硫化水素が流出も「対策これから」の体たらく

  5. 10

    これも防災対策のひとつ? 「ソーラー充電器」は買っても秘密にしておけ