「葛藤する刑事たち」松本清張ほか著

公開日: 更新日:

 新聞社の電話交換手の朝子は、夜勤中の深夜、社会部の依頼で大学教授の家に架電する。しかし、電話に出た人物の応対で番号を間違えたことに気づく。翌日、朝子は夕刊の記事で間違い電話で話した相手が殺人犯だったことを知る。警察に犯人の声の特徴を伝えるが事件は未解決。1年後に朝子は新聞社を辞め、茂雄と暮らし始める。転職を繰り返していた茂雄がようやく高収入の仕事に就いた。

 ある日、いつも電話を取り次いでくれる近所の食料品店に茂雄の同僚の浜崎から電話が入る。夫の代わりに電話に出た朝子は浜崎があの夜の電話の相手だと気づく……。

 電話がそれほど普及していなかった時代のこの松本清張の「声」をはじめ、最近の誉田哲也らまで人気作家9人の警察小説を集めたアンソロジー。

(朝日新聞出版 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ