「暴虎の牙」柚月裕子著

公開日: 更新日:

 昭和57年、広島北署2課暴力団係の刑事、大上章吾は、賭場で「沖ちゃん」と呼ばれるレイバンのサングラスをした男を見かけた。その男がレイバンをはずしたとき、沖勝三を思い出した。沖勝三は呉原市の暴力団、五十子会の組員だったが、7年前、突然、姿を消した。敵対する尾谷組にバラされたという噂がある。当時、中学生の息子がいた。

「もしかして沖の息子か」と声をかけると、男は足を止め、大上をにらんだ。所轄に戻って、大上はその男が愚連隊「呉寅会」を束ねる沖虎彦だと知る。メンバーは20人を超える勢いで、覚醒剤の密売と盗品売買に手を出し、五十子会と対立していた。両者の抗争をなんとか食い止めねばならない。「孤狼の血」シリーズの完結編。

(KADOKAWA 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動