「クスノキの番人」東野圭吾著
商品の欠陥を客に知らせて解雇された直井玲斗は、もらえなかった退職金代わりに商品を盗もうとして捕まった。そこに祖母に依頼されたという弁護士がやって来て、依頼人の命令に従えば、釈放してもらえるという。 その命令とは、パワースポットとして人気のある月郷神社のクスノキの番人をすることだった。弁護費用が払えない玲斗は、その仕事を引き受けることに。クスノキの空洞に入って願い事をすると願いがかなうという評判で、日中だけでなく、予約を取って夜にやって来る男もいる。月に2回、どうやら新月と満月の夜のようだ。
ある日、若い女がやって来て、その男が何を祈っているのかを玲斗に尋ねた。クスノキの前で交錯する、さまざまな人生を描く。
(実業之日本社 1800円+税)