「桂太郎」倉山満著
著者が、今の日本に求められる指導者と絶賛する明治の宰相・桂太郎の生涯とその政治的功績を紹介する歴史テキスト。
桂の何が凄いのか。まずは第1次桂内閣で日英同盟を結び、日露戦争に勝利。第2次桂内閣では日韓併合と条約改正を行い、幕末に不平等条約を押し付けられた日本を一等国に引き上げたことだという。
さらに特筆すべきは明治41年に相互の領土保全などを約し、日米関係を安定化させた「高平・ルート協定」を締結。前年に各国と結んだ協定を合わせ、日本をどこの国にも滅ぼせない国にした。こうした外交家としての顔から、日露戦争後の経済政策に見る財政能力や、2大政党制への道筋をつけた先見の明まで。国民を導き、国を救うとはどういうことかを桂の生涯に学ぶ。
(祥伝社 920円+税)