「生き抜くための12のルール」ジョーダン・ピーターソン著 中山宥訳

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 生物の進化の過程において、鳥であれオオカミであれ、支配権を握った者は堂々とした態度を取り、縄張り争いに負けた一方は、すごすごと姿を消す。こうした行動は、3億5000万年以上前から存在するロブスターでさえ備わった本能だ。

 勝者の脳の化学的な状態はセロトニンが多く、他の個体から攻撃を受けても後退する可能性は低い。セロトニンが姿勢を伸ばすからだ。逆に敗者はオクトパミンが多く、意気消沈した雰囲気をまとっている。現在、成功していなくてもうなだれた姿勢でいては、一層低い地位を与えられる。だから少なくとも背筋を伸ばし、セロトニンを神経経路へ流し込むことが大切だ。そうすると周りは、あなたを有能であることを前提として動いていく――。(ルール1)

 複雑で難しい社会に立ち向かい、意味のある人生を送るための12のルールを提唱し、全世界50カ国で翻訳され400万部突破の大ベストセラー。他にも「助けるべき他者として自分自身を扱う」「疎ましい行動は我が子にさせない」など、興味深い項目が並ぶ。トロント大学教授の著者が、聖書や古代文明などさまざまな文献を引用しながら説得力ある解説を展開する。

(朝日新聞出版 2700円+税)

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