「1日7秒手を伸ばしなさい」高林孝光著
しつこい肩こりに悩まされ、マッサージに通っても改善されない。実はこれ、当たり前のことだと鍼灸師で柔道整復師の著者は言う。
肩こりで知られる筋肉といえば、首筋から両肩、肩甲骨を覆っている僧帽筋。この筋肉はアウターマッスルと呼ばれ、マッサージや指圧でほぐすことができる。しかし、これだけでは肩こりはよくならない。なぜなら、僧帽筋の下にあるインナーマッスルもこっているためだ。
インナーマッスルは骨格に近い深部にあり、体の表面からはアプローチができない。つまり、マッサージも指圧も、直接作用しないのだ。では、どうすればよいのか。それは、何と「手を伸ばすこと」。これだけでインナーマッスルがついている骨が引っ張られ、緊張していたインナーマッスルが伸びて緩み、こりが取れるようになるという。
著者によると、現代人の多くは手が短くなってきているそうだ。これは、パソコン作業が長くなることで起こり、腕の重みに耐えながら肩をすくめてキーボードを打つことが原因。1980年代から、IT業界のエンジニアたちの間では肩回りに疲労がたまり腕が縮こまる現象を「ゴリラ腕」と呼んで広く知られていたという。
短くなった手を伸ばして肩こりをインナーマッスルからほぐしていくには、最低1日1回、腕を回す運動がお勧めだ。自然な姿勢で立ち、片腕ずつ前回しを7秒で7回、後ろ回しも7秒で7回、左右ともに行おう。四十肩や五十肩で回せない人は、前にならえをするように手を前にグーッと伸ばす。これを7秒キープで3回程度行えばOK。
他にも、伸ばすだけで不眠や下腹ポッコリを解消する運動も紹介。毎日の習慣にしたい。
(ダイヤモンド社 1300円+税)