「免疫専門医が毎日飲んでいる長寿スープ」藤田紘一郎著
免疫専門医として50年のキャリアを持つ著者。自身もさぞや健康的な生活を送ってきたのかと思いきや、50代半ばまでは不摂生ばかりで、痛風や糖尿病も患ったというから驚きだ。しかし、一念発起して体にいいとされる食事法を実践。おかげで80歳を迎えた今でも現役で活躍している。
そんな著者が今でも続けているのが、毎日の食事に「スープ」を取り入れること。とくに、免疫細胞の70%が存在する腸を強くするスープを飲んでいるという。食材の栄養素や成分には、茹でたり煮たりすると溶けだしてしまう水溶性のものが多いが、スープならそれらを無駄なくいただくことができる。そして、じっくり煮込むことで消化のよい状態になり、胃や腸に余計な負担をかけずに済む。さらに温かいスープは体を内側から温めて血行を促進し、内臓の働きをアップさせてくれる。何より、具材を入れたら煮込むだけなので、他の料理よりも簡単だ。
本書では、腸内環境を整えて免疫力強化に効果的な73のスープレシピを紹介している。
例えば、オリーブオイルとにんにくで具材を炒め、だし汁で煮たキャベツとしらすのしょうがスープ。腸内細菌を増やす食物繊維豊富なキャベツと、糖尿病予防に役立つDHEAというホルモンの分泌を促すしらす、そして冷えを解消するしょうがで、長寿効果が期待できる。納豆とモロヘイヤとトマトのスープ、さつまいもともずくの梅酒粕スープ、サンマのヨーグルトスープなど変わり種もあって楽しい。
忙しい人には、塩昆布とトマト、マグロとすりごまなどをカップに入れ、お湯や緑茶を注ぐだけでできるひとり分の超お手軽スープも紹介。今年の冬は、スープで乗り切ろう。
(ダイヤモンド社 1300円+税)