「コロナとがん」中川恵一著

公開日: 更新日:

 国立国際医療研究センターが解析した結果、新型コロナウイルス感染者の死亡率は、第1波に比べて第2波は低下している。治療法の進歩のほか、ウイルスの弱毒化も否定できない。新型コロナによるこの1年間の死者は約3000人だが、それに比べてがんによる死亡者は年間38万人と桁違いに多い。

 福島原発事故が起きたとき、低線量被ばくは影響が少ないのに、長期の避難生活で糖尿病が6割も増えた。今回もコロナ禍でがん検診などの外来受診を自粛し、がんによる死亡が増えることが予想される。それだけでなく、医療機関の収支が悪化し、医療崩壊が起きている。

 コロナ禍への「近視眼的リスク認知」が引き起こす社会の崩壊を警告する。

(海竜社 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」