「コロナとがん」中川恵一著
国立国際医療研究センターが解析した結果、新型コロナウイルス感染者の死亡率は、第1波に比べて第2波は低下している。治療法の進歩のほか、ウイルスの弱毒化も否定できない。新型コロナによるこの1年間の死者は約3000人だが、それに比べてがんによる死亡者は年間38万人と桁違いに多い。
福島原発事故が起きたとき、低線量被ばくは影響が少ないのに、長期の避難生活で糖尿病が6割も増えた。今回もコロナ禍でがん検診などの外来受診を自粛し、がんによる死亡が増えることが予想される。それだけでなく、医療機関の収支が悪化し、医療崩壊が起きている。
コロナ禍への「近視眼的リスク認知」が引き起こす社会の崩壊を警告する。
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