「疫病2020」門田隆将著

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 2020年1月、武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎患者が日本で初確認された。米国は武漢からの直行便や乗り継ぎ便の乗客の症状の有無を疾病対策センターが調べた。

 ところが日本の厚労省は、武漢からの帰国者に症状を自己申告するよう求めただけだ。春節には70万人もの中国人が日本を訪れるのに。中国では、日本入国時に解熱剤をのみ、質問票の発熱と咳(せき)の項にNOと答えればよいとの情報が流れた。安倍政権にも野党にも危機管理意識が欠如し、国会では「桜を見る会」審議に時間が費やされた。厚労省には研究機関の国立感染症研究所があるだけで「専門家集団」がいないのだ。

 コロナ禍によって明らかになった日本の危機管理の実態をリポート。

(産経新聞出版 1600円+税)

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