「誤嚥性肺炎で死にたくなければのど筋トレしなさい」西山耕一郎著
唾液や食べたものが気管や肺に入ることで起こる誤嚥性肺炎。高齢者がかかるもので、年を取ったら気を付ければいいと思われがちだが、実は喉の老化は40代から始まっており、放置していればのみ込む力がどんどん衰えて誤嚥を引き起こしやすくなると本書は警告している。
喉の老化のサインはさまざまある。例えば、ペットボトルで水やお茶を飲むとき、上を向いて飲もうとすると飲めなくなる。これは、サラサラした液体が速いスピードで喉を通過するため、衰えた喉ではのみ込む動きが追い付かないためだ。
また、ゴクンとのみ込んだときに喉仏が2センチ以上、上がらないのも、喉の老化のサイン。喉周辺の筋肉が衰え、喉仏が下がっている証拠だ。「あー」と声を出したときに10秒以上続かないのも要注意である。誤嚥してしまっても、肺の機能が正常ならば吐き出すことで誤嚥性肺炎を防げる。しかし、声が10秒も続かない場合には、肺の機能がかなり落ちていると考えられるのだ。働き盛りの男性ならば、20秒くらいは声が続かないと、肺機能の状態が心配だという。
一方で、誤嚥性肺炎を防ぐための対策は、さほど難しくない。それは、喉の筋トレを習慣づけることだ。本書では、喉筋トレの方法をイラスト付きで解説している。例えば、「のどE体操」。口を横に広げて歯を食いしばり、Eの発音を長く伸ばして行う。喉の位置が上がることを意識しながら発声するのがポイントだ。顎の下に小さいゴムボールを挟んでつぶし、5秒間キープする体操もお勧め。息を止めないで行おう。
毎日10分程度の喉筋トレが、誤嚥性肺炎の回避につながる。今日からでも始めてみては。
(幻冬舎 840円+税)