「応仁悪童伝」木下昌輝著

公開日: 更新日:

 殺人のぬれぎぬを着せられて逃げてきたお輪と一若の姉弟は、村人たちに追われて離れ離れになってしまった。なんとか逃げ延びた一若は、堺の慈済寺に逃げ込み、中稚児となった。この寺は中稚児に能や連歌などの芸事を教え込み、諸国を放浪する芸人に育てている。素質がないと下稚児となり、僧侶たちの慰みものにされる。

 同い年の熒(けい)は高貴な家の生まれで、高僧の世話をする上稚児だったが、父に見捨てられ、稚児潅頂(かんじょう)を受けることに。妖しい美貌の持ち主である熒を犯そうとした僧侶を短刀で刺殺し、一若と2人で逃げ出すが……。

 己の知恵や美貌を武器に乱世を生き抜く2人の少年を描く。

(角川春樹事務所 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…