「最後の文人 石川淳の世界」田中優子ほか著

公開日: 更新日:

 難解さをもって知られる孤高の文人・石川淳(1899~1987年)の人生とその作品を解説する文学ガイド。

 なぜ今、石川淳なのか。

 著者のひとり、山口俊雄氏は、閉塞感に満ちたこの時代が、石川の再発見とその作品の再読を求めているからだという。石川作品を読み解く重要なキーワードは「自由」である。自由を重んじ、なにものにもとらわれないことを優先する“知の旅人”だった石川は、目の前にある不自由・窮屈さに黙っていることができない。ゆえにその作品には不自由への「不服従」、とらわれからの自由を求めずにはいられない者の精神のありようが顕現しているという。

 5人の執筆者がそれぞれの視点からそんな作家の世界へと読者をいざなう。

(集英社 968円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    参院選で自民が目論む「石原伸晃外し」…東京選挙区の“目玉候補”に菊川怜、NPO女性代表の名前

  4. 4

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  2. 7

    我が専大松戸の新1年生は「面白い素材」がゴロゴロ、チームの停滞ムードに光明が差した

  3. 8

    逆風フジテレビゆえ小泉今日子「続・続・最後から二番目の恋」に集まる期待…厳しい船出か、3度目のブームか

  4. 9

    新沼謙治さんが語り尽くした「鳩」へのこだわり「夢は広々とした土地で飼って暮らすこと」

  5. 10

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」