「七月七日のペトリコール」持地佑季子著
和泉は、親友だった柊の十三回忌に参列。小学生のとき、雨上がりの独特の匂いをペトリコールと呼ぶことを教えてくれたのが柊だった。以来、仲良くなり同じ高校に進学したが、17歳の夏、柊はバス事故で死んでしまった。
法要後、柊の部屋に泊まった和泉は午前2時に呼び出し音で目を覚ます。押し入れの箱の中にしまわれた柊の遺品の携帯電話が鳴っていた。電話をかけてきたのは12年前の和泉自身だった。12年前の和泉は、応じた和泉の声を聞き、間違い電話と勘違いして切ってしまう。翌朝、和泉が目覚めると、前日に終わったはずの柊の十三回忌が行われる日の朝に戻っていた。親友の死に疑問を抱いた和泉は、12年前の自分と連絡を取り合うことに。
現在と過去から柊の死の真相に迫るミステリー。
(集英社 748円)