「サムライ・シェリフ」戸南浩平著
明治11年、警視庁巡査で元同心の三崎は、日本に逃亡してきたアメリカのお尋ね者・モーガンの捜査を任される。少々英語をしゃべれるので白羽の矢が立ったらしい。
聞くと、モーガンに夫を殺されたエレナが幼い息子と来日中で、上院議員で富豪の父を持つ彼女から日本政府に圧力がかかっているという。おまけに日本でモーガンをかくまっているのは、羅刹鬼だという。羅刹鬼は、同じく同心だった三崎の亡父が長年、追い続けてきた極悪人だった。
遺志を継いだ三崎は、日常の警察業務の合間にこれまでも羅刹鬼の行方を追い続けてきたのだ。三崎は上司が入手したアメリカのシェリフに扮して情報を集める。
殺人鬼とサムライ保安官の攻防を描く長編時代ミステリー。
(早川書房 990円)