「パフェが一番エラい。」斧屋著

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 パフェ評論家の著者は、年に約365本、これまでに3000本を制覇。それでも食べ尽くせないほど、巷には魅力的なパフェがあふれているという。

 パフェの見栄えの美しさ、かわいさ、華やかさは、他のスイーツから頭ひとつ抜きんでていると絶賛。その視覚的な魅力は、パフェの魅力のごく一部でしかない。「五感を総動員して、物語のように、あるいは生演奏のライブのように楽しめる」パフェは、「食べ物ではない」とまで言う。

 つまり、パフェは「音楽であり、映画であり、絵画であり、建築であり、文学」であり、「究極のエンターテインメント」だと断言する著者による熱い熱いパフェ啓蒙本。

 パフェは食べようと思えば、いつでもどこでも食べられる。レストラン、カフェ(喫茶店)、フルーツパーラー、パティスリー(洋菓子店)、さらにはコンビニ、カラオケ、居酒屋まで。パフェは巷にあふれている。なのに大人は、メニューに書かれたソレを見て見ぬふりをしてきたのかもしれない。

 ではどこから始めるか。氏は、ファミレス、それもロイヤルホストの季節限定のパフェがよいという。甘すぎたり、最後まで食べられなかったりの幼い頃のトラウマを払拭してくれるパフェが手頃に食べられるそうだ。

 パフェに開眼したら老舗フルーツパーラーやパティスリー、さらに数量限定や予約制に挑戦すべし。値段も3000円を超えるモノがあるが問題ない。「パフェは食べ物ではないのだから」

 フルーツパーラー系とパティスリー系の違いなど基礎編に始まり、食べにくさを楽しむなどの応用編、そしてパフェを宝石や機械仕掛けの腕時計に見立てる発展編まで。これまで味わい愛でてきた名店のパフェを紹介しながら熱く語り尽くす。

 さあ、本書を片手にまずはファミレスへ。

(集英社 1980円)

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