「言語が消滅する前に」國分功一郎、千葉雅也著
気鋭の哲学者2人による刺激的対談集。
2017年の最初の対談では、國分氏の著作「中動態の世界 意志と責任の考古学」をとっかかりに展開。英文法などで、能動態や受動態という「態」の概念を学んだ我々は、どんなことでも「する」か「される」かで行為や出来事を分類してしまう。しかし、もともとはモノの見方として能動と対立させられていたのは中動態だったそうだ。中動態とは二項対立では説明できない「やってしまっている」という状態だという。さらに、行動を起こす「意志」の概念についてと、ハンナ・アレントの著作などを取り上げ論じていく。
他にも、勉強やコミュニケーションなどをテーマに、エビデンス中心主義や言語を巡る危機感について語り合う5つの対話を収録。
(幻冬舎 946円)