<93>壁に死体を知らせる「B1」の文字
紀和浜町沖一キロの地点で巡視船みうらは投錨した。桃地と三人の学生ら計五人で、エンジン付きの搭載艇に乗り込み海に出た。
金城は指がまだ痛むはずだが歯を食いしばっている。東北出身の平牧は東日本大震災を思い出したかもしれない。医者の息子である成瀬はなすすべもなく水に消えた命を…
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