「探訪」隈元信一著
東日本大震災後、被災地で30もの「臨時災害放送局」(臨災FM)が生まれたが、2018年3月で閉局した。全町避難となった富岡町の「おだがいさまFM」のパーソナリティー、吉田恵子は、放送開始まもなくスタジオで笑いが起きたとき、事態が深刻だからこそ人は笑いを求めていると気づく。それから明るい放送を心がけた。
山陽放送(当時)の番組担当のカメラマン、宮﨑賢は、35年間、ハンセン病療養所・長島愛生園の患者の歴史と証言を撮り続けた。本土と長島は20メートルほどしか離れていないのに、隔離のためにずっと橋が架けられなかったのだ。
ローカル番組の制作現場をリポート。
(はる書房 1650円)