「『それから』の大阪」スズキナオ著

公開日: 更新日:

 東京から妻の出身地である大阪に移住した著者による散歩コラム。

 妻の実家近くの天神橋筋商店街の雑多でエネルギッシュな賑わいに移住を後押しされた。しかし、緊急事態宣言が出されステイホームが続く。宣言解除後、廃虚と化した町を想像しながら久しぶりに商店街に足を踏み入れると、朝9時から営業している居酒屋にはいつものように酔客たちの姿が見える。変わっていたのは天井から吊るされたビニールシートだけだった。その光景にどんな状況であれ、人の営みは続いていくことを教えられる。

 ほかに、創業40年の歴史に幕を下ろすことになった立ち飲み居酒屋「こばやし」の最後の日々に密着するなど、コロナ禍によって変貌する街と、疫病に負けず平然と生きていく人々の姿を見つめる。

(集英社 924円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  5. 5

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  1. 6

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 7

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 8

    雑念だらけだった初の甲子園 星稜・松井秀喜の弾丸ライナー弾にPLナインは絶句した

  4. 9

    「キリンビール晴れ風」1ケースを10人にプレゼント

  5. 10

    オリックス 勝てば勝つほど中嶋聡前監督の株上昇…主力が次々離脱しても首位独走