「倭寇・人身売買・奴隷の戦国日本史」渡邊大門著
日本は古代から朝鮮や中国と交易を通じて交流があった。しかし、鎌倉時代には中国の元が2度にわたり日本に攻め込んできた(元寇)。一方、室町幕府が誕生した14世紀半ばには、日本人で組織された海賊=倭寇が中国大陸や朝鮮半島の沿岸部を席巻。人々を連れ去り奴隷として売買することが常態化していたという。16世紀になると日本に出入りするようになったポルトガル商人が日本人奴隷を売買するようになる。日本人奴隷は東南アジアやヨーロッパまで売られていったという。また文禄・慶長の役では、半島に攻め入った日本軍が多くの朝鮮の人々を捕らえ、日本に連行した。
室町時代から織豊時代までの、こうした奴隷や人身売買の歴史を解説するテキスト。
(星海社 1210円)