「ボンベイのシャーロック」ネヴ・マーチ著 高山真由美訳

公開日: 更新日:

 1892年のインド・ボンベイ、陸軍大尉のアグニホトリは、任務中に負ったけがで入院中に目にした新聞記事に興味を抱く。4カ月前に裕福な若い女性2人が大学の時計塔から転落死。記事は国中が注目したその裁判の結果を伝えるもので、殺人容疑をかけられた3人の男は無罪に、2人の死は自殺と断定されたのだ。

 新聞に掲載された被害者の遺族・アディの手記に心を動かされた大尉は、退院後に新聞社の記者に転職し、彼に会いに行く。アディは、パールシー(ペルシャ系ゾロアスター教徒)の大地主の息子で、死んだ2人は彼の新妻と妹だった。アディの信頼を得たアグニホトリは、私立探偵として事件の調査を任される。

 ホームズのファンの素人探偵が事件の真相に迫る長編ミステリー。

(早川書房 2970円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動