「インディオの聖像」立花隆著 佐々木芳郎撮影

公開日: 更新日:

 1986年、カンヌ映画祭でグランプリを取った映画「ミッション」の試写を見て、立花はイエズス会がつくった南米の伝道村に関心を持った。カメラマンとともにブラジル、パラグアイ、アルゼンチンの伝道村の遺跡を訪ねた。

 特にパラグアイのトリニダには壮大な教会堂や聖像が残っている。それはヨーロッパのレプリカではなく、音楽と彫刻に優れた才能を持つグアラニ族の独自の表現が見られる。彩色されたイエス像はおびただしく血を流し、聖母子像が多いヨーロッパと異なり、父子像が多い。これらは「中南米バロック」と呼ばれている。

 なぜ中南米の人びとは伝統的な宗教を捨てて、キリスト教に帰依したのかを宗教美術を通して探る。

(文藝春秋 2970円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議