「旅の終りは個室寝台車」 宮脇俊三著
元祖「乗り鉄」が当時の国鉄や私鉄、そして時にバスも利用して日本各地の路線を乗りまくる鉄道紀行の名著。
最初の旅は福岡県の門司駅を早朝5時22分に発車する山陰本線824列車。終着駅の京都の福知山駅到着は、23時51分で、移動距離595.1キロ、所要時間18時間29分で、どちらも日本最長の鈍行列車だ。昭和56年11月3日の夕方に東京を出て、翌朝門司に5時4分に到着すると、お目当ての824列車は2番線にすでに停車していた……。
その他、私鉄と民営バスだけを乗り継ぎ東京から大阪まで向かう旅や、195.8キロの間に92駅もある飯田線など、鉄道に興味がない同行編集者I氏との掛け合いも楽しい10編の鉄道旅を収録。
(河出書房新社 990円)