「はい、総務部クリニック課です。」藤山素心著
打たれ弱い奏己は、清掃美化用品の会社に入社して7年の間、社内で目立たぬように生きてきた。しかし、新社長が新設した総務部クリニック課への異動を命じられ状況が一変。クリニック課は、れっきとした医療機関で、薬局課も併設されている。
社命で医療事務の資格をとったものの奏己は不安でならない。おまけに、上司になった医師の森課長と薬剤師の眞田課長はホストばりのイケメンで、話しかけられただけで緊張してしまう。
業務初日の朝、2人の社内回診に同行した奏己は緊張から何度もトイレに駆け込む。さらに午後、営業部の女性社員が子供の薬を処方して欲しいと駆け込んできた。奏己の記憶では診察をせずに処方箋を出すのは違法のはずだが……。
健康に働くための情報が満載の会社小説。
(光文社 770円)