「落語の凄さ」橘蓮二著
5人の人気噺家から落語の魅力やそれぞれの美学、創作の源泉を聞き出すインタビュー集。
現在は落語芸術協会の会長を務める春風亭昇太師匠は、子どもの頃にテレビで見た落語は、つまらなくて大嫌いだったが、今になってその理由がよく分かると語る。テレビで面白く思えるお笑いは、テレビに合わせてあるから面白いので、落語はテレビ向きではないのだと。そんな師匠が噺家になる経緯や、新作落語に打ち込む理由、そして落語をより楽しむ秘訣まで、問われるままに明かす。
ほかにも、「笑点」レギュラーに抜擢されたときの心境から語りだす桂宮治をはじめ、春風亭一之輔、笑福亭鶴瓶、立川志の輔の5人の師匠が語る言葉の数々は、寄席で聴く落語とはまた一味違う妙味にあふれている。
(PHP研究所 1100円)