「落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ」頭木弘樹著
「面白いから」と勧められ、落語を聴いてみたが、その面白さが分からないという人は意外に多い。そういう人たちには「なぜ落語は面白くないのか」、その謎を解き明かしながら、落語の魅力について語る入門書。
面白くなかったという人が抱く落語に関する率直な疑問「落ちが面白くないどころか、意味不明だった。落ちが大切なはずなのに、なぜ?」。確かに、「三軒長屋」や「千両みかん」のようにまさに落ちが全体の頂点となる噺もたくさんあるが、一方で呆然とさせられる落ちも少なくない。その理由を説きながら、「落ち」の役割を解説。
他にも「『毎度ばかばかしいお笑いを一席』というのはなぜ?」など素朴な疑問に答えながら語られる落語の楽しみ方は、愛好家にもお勧め。
(筑摩書房 860円+税)