「優良中古マンション 不都合な真実」伊藤歩著
著者は築40年、総戸数50戸のマンションに住んでいる。購入したのは31年前。好立地で管理状態のいい人気物件だった。ある日、マンションの管理会社から、階下の部屋で漏水事故が起きていると連絡があった。漏水箇所は階下の和室の押し入れで、水回りとは関係のない場所。管理会社が紹介した設備工事会社は、給湯管に穴が開いていると説明する。さらに、住居内の配管の交換費用は専有部分なので保険が下りず、自費になるという。管理会社の担当者は、このマンションで同様の事故が起きたことはないと言ったが、それは嘘だった。
漏水事故で「加害者」になった金融ジャーナリストが突き止めた真実とは。
(東洋経済新報社 1650円)