「見果てぬ王道」川越宗一著

公開日: 更新日:

 長崎で舶来品を扱う梅屋商店の養子である庄吉は、子どもの頃、川に落ちて死にかけたが、棺桶の蓋が打ち付けられる寸前に蘇生して助かった。

 ごろつきの白ドッポ組を懲らしめたことで名を上げ、店に押しかける人々を避けるためにアメリカに行ったということにした。だが、本当にアメリカに行きたくなり、梅屋商店の持ち船にもぐりこんで上海に渡るも、病を得て帰国する。

 19歳のとき、アメリカに留学しようとするが、途中で船火事に遭い、挫折。26歳で再び上海に渡る。やがて香港で写真館を開き、南洋開発のための移民事業にも携わるようになる。ある日、写真館に中華の革命の記念にと、男が写真を撮りにきた。その男は「孫文」と名乗った。

 中国の独立を目指す孫文を支援した実業家を描く歴史小説。

(文藝春秋 2090円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動