(12)最も深い場所で生命を放出
エミューは逃げているつもりだった。浴室の脱出口は見えない。そこに戸があるのに自分の脳がそこを出口だと認知させない。乳房と女性性器をつけた脂肪の塊が浴室の洗い場をのたくっている。それは自分なのだとエミューは思った。
亮の顔がすぐそこにある。本当に亮だろうか。これが亮の顔な…
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