(40)廊下を横切る蛆は怒りの産物
演出家は続ける。
「彼女は二人の男が世を去って初めて自由を得たのです。娘も同じです。彼女も母親に似て男に忍従することを受け入れて生きてきた。母と娘、女同士の穏やかな暮らしに彼女等は人生の充足を感じていた。そこへ降ってわいたような男──総領の帰還です。
田野の身振り…
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