(61)渚の光景はかつて眺めた絵画
クルシマは母親を抱えて彼女の寝返りの手助けをした。
綾瀬は部屋を出ることにした。クルシマには母親と二人だけの時間が必要だろう。
建物の外は草の絨緞だ。無数の短いグリーンの指が艶めかしく震えて綾瀬を誘っている。
すでに夏の日差しだが、風があるので室内よりは…
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