(63)バビルサの牙を持つ犬は消えた
声が風に流れて来た。綾瀬が振り向くとクルシマが手を振っているのが見えた。
正面玄関の前に立っているクルシマの姿は遠くにあった。
綾瀬は自分が建物から離れた草原の中ほどまで来ていることに気づいた。
綾瀬は手を振って返し、大股で施設の方へ戻って行った。
…
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