(17)いつの間にか手には皸が
(五)
伸びきった饂飩のような、張り合いのない日々が過ぎてゆく。
今戸の家に戻った美登里は、ただ漫然と家事をやり、飯を食べ、眠った。父はいつもと変わらず日の出と共に絵馬を描き、日が沈むと筆を置く。美登里が身一つで帰ってきても、「心ゆくまでやれたかい?」と尋ねただけ…
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