「結婚の社会学」阪井裕一郎著
「結婚の社会学」阪井裕一郎著
現代人の結婚観を解体し、結婚や家族について再考を促すテキスト。
結婚して子どもを持ち、年老いたら孫の世話をするといった人生は、もはや当たり前のものではなくなっているという。
推計では、2000年生まれの女性の約31%が生涯子どもを持たないといい、孫を持つ確率は50%ともいわれるそうだ。
また、日本人の常識では子どもは結婚した夫婦から生まれるものだが、結婚した夫婦から生まれる子どもが少数派になっている国さえあるという。これは婚姻制度以外の共同生活を保障する各制度が確立されているからだ。
近代以降の日本人の結婚の歴史を概観した上で、離婚や事実婚、セクシュアルマイノリティーと結婚の問題など、さまざまなトピックを取り上げ、結婚と家族のあり方を問い直す目からウロコ本。
(筑摩書房 1100円)