「三度のメシより事件が好きな元新聞記者が教える 事件報道の裏側」三枝玄太郎著
「三度のメシより事件が好きな元新聞記者が教える 事件報道の裏側」三枝玄太郎著
2000年ごろまでは事件の容疑者の自宅住所の地番まで報道されたが、問題視されなかった。ところが、あそこのアパートで殺人事件があったらしいという風評が立つと周辺の賃貸物件の相場まで下がるようになり、地番を省略するようになる。
また、風営法違反などの比較的軽い犯罪で不起訴や処分保留になりそうな場合は匿名で表記するようになった。
11年に児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で逮捕された男がグーグルで記事を検索できないよう削除を求め、4年後、さいたま地裁は「忘れられる権利」を認めたが、最高裁は「表現の自由と知る権利を侵害する」と判示した。
元新聞記者が報道の「読み方」を教える。
(東洋経済新報社 1650円)