(61)戯家であらねばなりますまい
蔦重は口元が緩むのを堪えきれない。
道行く人がチラチラと視線をくれるのに気づいているものの、性懲りもなくニヤついてしまう。
──重政から紹介された、絵と文を達者にこなす侍は毅然とした口調になった。
「戯作に関わる以上、戯家であらねばなりますまい」
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