(65)これぞ名鑑「青楼美人合姿鏡」
書院風に設えた蔦屋の小座敷、丸窓から夏陽が差し込む。蔦重は春町と向き合った。眼顔で問う蔦重、春町はうなずく。
「鱗形屋の手代、徳兵衛とは面識がありますか」
もちろん。陰で蔦重のことを「女郎屋絡みのさんぴん」と貶していた男だ。
「あの手代、大坂の板元が開板した…
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