「ひっくり返す人類学」奥野克巳著

公開日: 更新日:

「ひっくり返す人類学」奥野克巳著

 人類学ではフィールドワークの際に、対象の土地の人々の暮らしに参加し、観察しながら記録と分析をする「参与観察」という手法を採用。

 ボルネオ島の狩猟採集民プナンを研究する人類学者の著者のフィールドワークに、ある年、研究者ではない仲間3人が参加した。プナンの人々と行動を共にした3人は、日本での暮らしを見つめ直し、身についてしまった自らの「当たり前」をひっくり返そうと試みる。そうした「当たり前」すぎて気づかなかった日常をひっくり返すことこそがフィールドワークの効用だという。

 本書は、プナンや、カナダのヘヤー・インディアンなどの民族誌を紹介しながら、「学校や教育」「貧富の格差や権力」など、現代が抱える問題について人類学の手法を駆使して考察するテキスト。 (筑摩書房 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ラストマイル」興収50億円の大ヒットでも…満島ひかり初の「最優秀主演女優賞」を阻む長澤まさみの存在

  2. 2

    「SHOGUN 将軍」エミー賞18冠で真田広之が渡辺謙をついに凌駕 「英語力」「謙虚さ」が生んだ逆転劇

  3. 3

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  4. 4

    真田広之「SHOGUN」エミー賞18冠の傍らで柳沢慎吾が大ブレーク!期待膨らむ「ひとり甲子園」の次

  5. 5

    牛丼チェーン「松屋」斬新メニュー開発の舞台裏 ジョージア料理シュクメルリが大ヒット!会員限定記事

  1. 6

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  3. 8

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  4. 9

    清原ジュニアの場合は? プロ志望書の裏に3パターン「確約」「二股」「イチかバチか」

  5. 10

    日本ハム新庄監督はやはり「ただの傾奇者」ではない CSでどう戦うか興味と期待を抱かせる会員限定記事