「花散る里の病棟」帚木蓬生著

公開日: 更新日:

「花散る里の病棟」帚木蓬生著

 内科医の伸二は、退院後に行き場を失う老人たちのために、介護老人保健施設や介護老人福祉施設を医院に併設。伸二には入所者全員が、今は亡き両親のようにも感じられ、診療の合間に会いに行くのが楽しみでもあった。

 そんなある日、離れた市の警察から身元照会の連絡が入る。保護した老人の小銭入れに診察券が入っていたらしい。保護されたのは確かに伸二の患者のナツだった。ナツは伸二の故郷に近いN村の出身だが、息子との同居を機に伸二の医院に通院するようになった。しかし、診察のたびにナツの表情が暗くなっていくのが気になっていたのだ。(「彦山ガラガラ 二〇一〇年」)

 伸二とその祖父・保造、父の宏一、そして息子の健と、医師4代100年を描く大河小説。 (新潮社 880円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  2. 2

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  3. 3

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  4. 4

    照ノ富士「後継者育成」にも迫るタイムリミット…横綱らしからぬ“醜態”で限界説いよいよ裏付け

  5. 5

    窪田正孝の人気を食っちゃった? NHK「宙わたる教室」金髪の小林虎之介が《心に刺さる》ファン増殖中

  1. 6

    佐々木朗希の「独りよがりの石頭」を球団OB指摘…ダルやイチローが争奪戦参戦でも説得は苦戦必至

  2. 7

    西武再建に“身売り”という選択肢は?《今の球団上層部は野球を知らず興味もない》悲惨な現状

  3. 8

    「家政婦のミタゾノ」中山美穂さんシーン放送決定 亡くなって出演料は支払われる? 識者に聞いた

  4. 9

    フジテレビが2番組を終了させダウンタウン松本人志に「NO」を突き付けたワケ…日テレとは異なる対応

  5. 10

    佐々木朗希はロッテの「足枷」だった…いなくなってFA石川柊太の入団がもたらす“これだけのメリット”