「ウルフ・オブ・ウォールストリート」マーティン・スコセッシ監督
「タクシードライバー」「レイジング・ブル」「グッドフェローズ」と作品を挙げたら、切りがない名匠マーティン・スコセッシ監督(71)。レオナルド・ディカプリオ(39)と組んだ新作や映画への思い、今後について聞いた。
――80~90年代のウォール街で年収49億円に成り上がり、10年後の36歳で破滅した男の物語。監督依頼を受けた理由は?
「まず、度が過ぎる拝金主義への不安と怒りがあったんだ。私はNY出身で、08年のような金融危機を何度も目の当たりにしているというのに、人々は成功の尺度を稼ぎだけで測るのをやめない。最近はそうした価値観が子どもにまで広がり、例えば私の14歳になる娘の世代が映画を見にいくとき、週末の興行ランキングでトップの作品を選ぶんだ。ピカソの絵画がオークションにかけられたとき、拍手が起こるのは絵が売れたことではなく、37億円という落札額に対してだったというようにね。皆どうかしている」
――酒、女、ドラッグ三昧の主人公、証券会社社長ジョーダン・ベルフォート(ディカプリオ)には魅力を感じましたか?