「東京難民」佐々部清監督

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 ごく普通の若者が父親の失踪を機に大学を除籍、賃貸マンションを追い出され、あっという間にホームレスへと転落していく。底の抜けた日本社会の今、落ちてきた者を食い物にする貧困ビジネスにも迫った本作は、大人も他人事ではない。佐々部清監督(56)に聞いた。

――借り主の権利を認めないゼロゼロ物件などが微細に描かれてますが、どこまで事実なのでしょうか?

「ほぼ全て、です。福澤徹三さんが原作を雑誌で発表されたのが2007年ですので、脚本家の青島武さんが新たに取材し、さらに震災後の社会情勢を反映させました。僕も撮影中は新宿で1DKを借りまして、ネットカフェといった場所を回ってみました。格差などの問題はTVのドキュメンタリーで見る程度だったんですが、実際に取材して、ここまで切羽詰まった状況なのかと驚くとともに、これはきちんと世に出すべきだと思ったのです。エンターテインメント作品なのですが、状況はリアルじゃなければならないと思いました」

――最近は職や住所を失っても、服装などから判別しにくいことから「見えないホームレス」といわれていますね。

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